北京大学医学部ブログ

順天堂医院 病院見学

医学部ブログ
12月13日(火)に進学コース・課外授業の一環として、順天堂医院の病院見学を行いました。



順天堂医院には、北京大学医学部卒業生が医師として勤務しており、高い評価を受けています。今回で、病院見学は3年目となります。昨年に引き続き今年も天皇陛下の心臓手術執刀医として著名な天野院長の講話を聞く機会に恵まれました。「最先端医療に触れる」、「超一流に触れる」という2つのテーマで、天野院長の講話拝聴や順天堂医院の施設見学をさせていただきました。

当日は、御茶ノ水駅で集合し、順天堂医院に全員で向かいました。玄関前で集合写真を1枚。



その後、会議室で待機している間、学生たちは穏やかな表情で談笑していました。皆この日を楽しみにしていた様子で、中には天野院長の大ファンもいて、少し緊張した面持ちの学生もいました。天野先生が入って来られると同時に学生たちの緊張はピークに達し、真剣に天野院長のお話しを傾聴していました。



天野院長はご自身も幾度となく北京に渡航されたご経験を持ち、北京は渡航するたびに街が成長しているように感じるとおっしゃっていました。また、「せっかく外国の大学に行くのだから、大きな志を持って行ってほしい。後押ししてくれた人たちに恩返しする気持ちで、医療の現場に立った時に自分が学習した成果をどういう形でアウトプットしたらいいかを常に考えること。達成したら分け与えるという姿勢が大切です。皆さんの場合は、知識と教養を身に付けて、医療活動で社会に貢献してほしいですね。期待しています。」と激励のお言葉をいただきました。
そして、学生からの質問にお答えいただきました。



学生:後悔していることはありますか?

院長:私が皆さんくらいの時は、私大の医学部生で外科医になりたかった。少し勉強すれば成績は取れるし、国家試験も受かるだろうという、狭い世界で物事を考えていました。皆さんにはもっと大きな視点で北京の生活をしてほしい。人生の中で感動した場面が何度かある中で、大連の旅順はすごく感動しました。ぜひ訪れてみてください。

学生:毎日忙しくされている中で外科医として医者を辞めたくなったことはないですか?

院長:私も辛い経験はありましたが、自分ひとりの力で医師になったわけではありません。患者さんに育てられました。年配の方が信頼してくれる。そういう経験は他の業界ではなかなかないことです。医師とはそういう重みがある仕事。一度背負った以上、放棄するわけにはいかない。医師と教師は人類愛が前提の職業だと思います。人が好きじゃないなら医師は辞めた方がいい。
また、臓器を外側から直接見ることができるのは、外科医しかいない。物事を外から見て、深く入り込んで行って。そういうところに魅力を感じます。

学生:著書で毎日一つ以上は手術をしていると読みました。自己管理はどのようにされているのでしょうか?

手術はマラソンと一緒で常に全力疾走でゴールしなければいけないわけではありません。最終的に優勝すればいいのです。今こうして話している間にも、手術は実施されています。
いいチームがあって、いい仲間がいて、前向きに計画を立てれば大丈夫。1人でできることには限りがあります。皆さんが医師になった時にも
あと、プリミティブ(原始的)なことを言えば、寝ればいい。経験から自分の回復のペースを把握することができます。そうすることで自己管理を楽しんでほしい。今まで影響をうけた小説に「山月記」があります。何回か読み返してみるといいと思います。

講演終了後、集合写真を撮影した旨お願いすると天野院長は快く応じてくださりました。この写真は進学コース生の宝物となるでしょう。



その後、2班に分かれて病院見学を行いました。
まずは、総合受付にて案内用ロボットを紹介していただきました。学生は興味津々でした。



通常の店舗と違って、来院されるのはお客さんではなく患者さん。様々な配慮が必要なので、現在ロボットはスタッフが人的に管理しているそうです。今後のAIの台頭で医師の存在意義について再考する時期に来ているというお話もありました。

その他、救急センター、検査機器など、説明を受けながら、日本の最先端医療に触れる機会を得て、学生はあらためて医師という仕事に向けての気持ちを高めたようです。


※学生の病院見学レポートは後日アップします。

また、偶然ですが、北京大学医学部卒業生で順天堂医院に医師として勤務している先輩に院内で会い、進学コース生は少し挨拶ができました。活躍している先輩の医師の方を見て、よりモチベーションが上がったようです。
2月の北京渡航に向けて、最後まで中国語・理系科目の学習をがんばりましょう!
執筆:ISIスタッフ 遠藤